研究課題
基盤研究(A)
本研究では、抗原抗体反応を検出原理に用い、環境中に存在するウイルスを、測定試料の煩雑な前処理を必要とせずに、簡便に検出可能なウイルスセンサの開発を行った。我々が開発した外力支援近接場照明バイオセンサ技術をベースとして、検出に用いる光信号用粒子や磁気微粒子の最適化を行うことによって、高感度かつ広ダイナミックレンジを有するウイルス検出技術を確立することができた。より感度良くウイルス検出を行うために、抗体開発も行った。
環境中ウイルス検出の最も重要な意義は、感染リスクの低減である。我々が暮らす環境中に何らかの要因によってウイルスが持ち込まれたことが即座に検知できれば、換気や消毒などの対策によって、その空間にいる人の感染リスクを大幅に低減可能となる。環境中ウイルスの検出が可能になれば、季節性ウイルスが蔓延するメカニズムの解明や、未だに詳細が不明なウイルスの感染ルートの特定、と言った疫学上の意義も大きい。
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