研究課題
基盤研究(A)
本研究は、宇宙線中に微量に含まれる反粒子(とりわけ未発見の反重陽子)の高感度探索を通じてダークマター等の初期宇宙物理の課題に迫ることを最終目的とする。本研究ではエキゾチック原子の崩壊過程を利用した新しい粒子識別手法に基づく反粒子宇宙線観測計画「GAPS」の測定器開発を進め、計画を推進した。測定器の中核を担うシリコン検出器や、多数のシリコン検出器を一括かつ軽量・低消費電力で冷却するヒートパイプのシステムの開発に成功し、実寸モデルやスケールモデルを用いた評価試験によってシステムレベルでの性能を確認した。本研究により、南極気球を用いたGAPS観測に向けて準備を整えることができた。
ダークマターの解明は現代の宇宙物理学・素粒子物理学における喫緊の重要課題の一つである。ダークマターの解明には多角的な研究が求められており、本研究で推進するGAPS実験計画は宇宙線反重陽子という新しい手掛かりを開拓することで他実験とは異なる視点からダークマターの正体に迫る重要な知見を提供できる。観測実現のために開発した半導体検出器やヒートパイプ冷却システムは他の宇宙線観測実験のみならず放射線医療やエコ住宅建築など他分野にも応用可能な新規技術である。
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すべて 国際共同研究 (10件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 9件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (70件) (うち国際学会 18件、 招待講演 2件) 備考 (2件)
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