研究課題/領域番号 |
17H01188
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
平尾 公彦 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 上級研究員 (70093169)
|
研究分担者 |
中嶋 隆人 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, チームリーダー (10312993)
常田 貴夫 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特命教授 (20312994)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
43,680千円 (直接経費: 33,600千円、間接経費: 10,080千円)
2019年度: 15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2018年度: 15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2017年度: 12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
|
キーワード | 分子理論 / 密度汎関数法 / 長距離補正汎関数 / Koopmans定理 / 励起状態 / Kohn-Sham方程式 / LC汎関数 / 励起エネルギー / 軌道エネルギー / LC-DFT / TD-DFT / 反応軌道エネルギーダイアグラム / 時間依存密度汎関数法 / ナノグラフェンの励起 / 理論化学 / 計算化学 / 電子状態 |
研究成果の概要 |
私たちは密度汎関数理論(DFT)の長距離補正汎関数(LC汎関数)を開発した。LC汎関数はDFTのさまざまな欠陥を取り除いた。分子構造や原子化エネルギーはもちろんのこと、光学応答特性、励起エネルギー、van der Waals力などを高精度に記述する。またLC汎関数はKoopmans定理を満たす。本研究では軌道エネルギーを利用した化学反応性の記述や界面現象の記述、反応機構の解明、異性化反応などに本理論を応用してきた。また軌道エネルギーのみで励起エネルギーを計算するきわめて簡便な理論を開発した。本研究によりDFTの適用範囲が大幅に拡張され、DFTの軌道、軌道エネルギーの物理的意義が明らかにされた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在もっともよく使われている分子理論は密度汎関数法(DFT)法である。計算が簡単であり、定量性があること、そして計算結果の解釈が容易であることがその理由である。しかしDFT法はさまざまな問題を抱えている。私たちはDFTの問題を解決するために長距離補正汎関数(LC)を開発した。LC汎関数はこれまでの汎関数の問題点をすべて解決した。LC-DFTが与えたインパクトは大きく、現在では、多くの理論計算に広く使われている。またLC-DFTはKoopmans定理を満足する。つまりLC-DFTの軌道や軌道エネルギーは明確な物理的意味を持っていることを示唆している。本研究はDFTの応用範囲を大幅に拡張した。
|