研究課題/領域番号 |
17H01445
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
進化生物学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
田村 浩一郎 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (00254144)
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研究分担者 |
和多田 正義 愛媛大学, 理学部, 研究員 (00210881)
野澤 昌文 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (50623534)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
42,120千円 (直接経費: 32,400千円、間接経費: 9,720千円)
2020年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2019年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
2018年度: 14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2017年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 低温耐性 / 低温順化 / 人為選択 / 実験進化 / 既存変異 / 柔らかい選択的一掃 / ショウジョウバエ / 集団遺伝 / ゲノム解析 / 適応進化 / 環境適応 / ゲノム / 進化 / 自然選択 |
研究成果の概要 |
一般に生物の進化には長い時間が必要であるが、生息地の環境が激変した場合など、生物は短期間で進化することがある。そのような急進的な適応進化のメカニズムを明らかにするため、1980年代に熱帯から日本に移住したアカショウジョウバエを用い、実験集団での人為選択によって低温に対する適応進化を再現した。そして、人為選択に伴うゲノム中の遺伝子頻度の変化を調べ、実際に自然集団で生じた遺伝子頻度の変化と比較した。その結果、既存の遺伝的変異に自然選択が作用する“柔らかい選択的一掃”による適応進化であることが分かった。また、選択の対象となった原因遺伝子が存在するゲノム上の位置が予想された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
伝統的な生物進化のメカニズムは、集団中に生じた突然変異に自然選択が作用して集団中の遺伝子が置き換わり生物の表現型が変化するというもので、その場合、ゲノム中、選択の対象となった遺伝子周辺の多様性が著しく低下する“硬い選択的一掃”が生じる。しかし、このモデルではある程度の進化時間が必要とされ、急進的な適応進化は説明しにくい。そこで近年、既存の遺伝的変異に自然選択が作用する“柔らかい選択的一掃”のモデルが提唱されたが、自然集団のゲノム解析では検出しにくい。本研究の最大の成果は、実験集団を併用することによって柔らかい選択的一掃が検出できることを示したことで、進化生物学上の意義がある。
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