研究課題
基盤研究(A)
本研究の目的は、施肥窒素量に呼応し到穂日数を遅延させる環境応答遺伝子の単離・解析手法の確立及びその分子育種であった。以下に主要成果を記す。●窒素応答の責任遺伝子はHD6だった。●出穂遺伝子HD1/HD2/HD6のすべてが機能型の場合のみ窒素施肥に呼応し出穂遅延が起こるが、3遺伝子の一つでも欠失すると窒素反応性は消失した。●HD6mRNAは窒素量で上昇しないがFLAG-HD6タンパク質は上昇した。●HD2タンパクはHD6活性化に伴い増加した。●HD1によるHD3a(フロリジェン)発現誘導をHD2は抑制する。●HD6はこの誘導に直接影響を与えず、HD2が濃度依存的にHD1活性を促進した。
本研究の目的は、環境に呼応して機能を変化させる農業関連遺伝子の単離・解析手法の確立とそれを利用した分子育種であった。農業に関連する多くの形質は量的形質であり、その研究は従来QTL解析により研究が進められているが、本手法は多大な時間と労力を要すため代替の手法が強く求められている。さらに重要農業形質は気象や土壌などの外的環境によりダイナミックに影響を受け環境条件を加味した遺伝解析が強く望まれている。そこで本研究はQTL解析ではなくゲノムワイド関連(GWA)解析を用いることで、外的環境に呼応してその機能を変化させるQTL遺伝子の単離・解析技術を構築し、分子育種に貢献することを目指した。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 3件)
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