研究課題/領域番号 |
17H01482
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
木質科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北岡 卓也 九州大学, 農学研究院, 教授 (90304766)
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研究分担者 |
一瀬 博文 九州大学, 農学研究院, 准教授 (00432948)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
43,030千円 (直接経費: 33,100千円、間接経費: 9,930千円)
2019年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2018年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2017年度: 18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
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キーワード | セルロース / キチン・キトサン / ナノファイバー / 構造多糖 / 界面修飾 / 細胞・組織培養 / バイオインターフェース / バイオマテリアル / 糖鎖 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 生体材料 / ナノ材料 / 細胞培養 / ナノマテリアル |
研究成果の概要 |
生体細胞を取り囲む細胞外マトリックスの化学構造とナノ形状を、天然多糖のセルロースとキチンを用いて機能模倣する新戦略で細胞培養基材を開発した。生理活性のないセルロースにTEMPO酸化を施してカルボキシ基を導入したナノセルロース薄膜では、マウス線維芽細胞の良好な初期接着性が見られ、酸性基量や結晶形に依存する特異な細胞増殖特性が発現した。さらに、“細胞接着性を示さない”キトサンナノファイバーと混合することで細胞増殖性が著しく向上した。生体抽出成分と異なり、樹木や甲殻類から大量に入手できる天然多糖を用いるバイオアダプティブ基材の開発コンセプトの実証に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
再生医療の発展が切り拓く健康・長寿社会への期待から、iPS細胞をはじめとする細胞側の制御研究に加えて、生体外で細胞・組織培養するための足場材料開発の重要性も高まっている。本研究は、天然多糖の樹木セルロースナノファイバーや甲殻類由来キチンナノファイバーが、人工合成不可能な固有のナノ形状と糖鎖界面を備えることに着目し、既存のプラスチック培養基材では見られない、特異な細胞応答挙動を見出した。特に、これまで細胞接着に不利と考えられてきた親水性基材による細胞接着・増殖の促進効果は、天然多糖の未知機能としての学術的意義に加えて、再生医療用細胞培養基材の実用化の面からも興味深い重要な研究成果である。
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