研究課題/領域番号 |
17H01675
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
山平 寿智 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (20322589)
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研究分担者 |
北野 潤 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 教授 (80346105)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
41,730千円 (直接経費: 32,100千円、間接経費: 9,630千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2019年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2018年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2017年度: 17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
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キーワード | 種分化 / 性淘汰 / メダカ / 進化 / 実効性比 / 生態学 |
研究成果の概要 |
熱帯はなぜかくも多様なのか?本研究では,メダカ科魚類をモデルシステムに,この問いに実証的に答える.アジア諸国から本科魚類全種を採集してその全種系統樹を作成し,各種の性的二型を測定・比較したところ,温帯より熱帯に分布するグループほど性的二型の程度が大きいことがわかった.また,インドネシア(ムナ島)に調査定点を設置して,熱帯種(ウォウォラエメダカ)の成熟個体の季節的出現パターンを調べたところ,季節性の乏しい熱帯では実効性比が大きくオスに偏ることがわかった.これらの結果は,熱帯では性淘汰圧が強いことを示している.強い性淘汰圧は種分化を促進するが故に,熱帯の多様性は高くなるのかもしれない.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,性淘汰圧が緯度に沿って大きく変化することを野生集団で示した,世界初の例である.「強い性淘汰圧が種分化を促進するが故に熱帯の多様性は高い」とする結論は,「生物多様性のグローバルパターンの研究」と「性淘汰による種分化の研究」というこれまで独立に発展してきた2つの研究トレンドを1つにまとめた,革新的なアイデアである.また本研究の成果は,「新種のゆりかご」たる熱帯地域の破壊が将来に渡る生物進化に致命的な影響を与えかねないことを示すものでもあり,学術的のみならず社会的な意義も非常に大きい.
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