研究課題
基盤研究(B)
先行研究に基づき,本研究では,集団的認知やコミュニケーションでの主観的経験の共有を,個人間の脳同調ダイナミクスから捉えられるのではという仮説を検証した.NIRS脳機能計測を中心にしたマルチモーダルセンシングを用いて相互作用する集団を計測し,脳活動および周辺活動の個人間同調ダイナミクスを多次元的に特徴付け,相互作用する当事者の主観的な経験の動的な変動に対応する特徴量を同定した.また,実世界でのアクティブな集団活動への応用で重要となる,NIRS脳計測データからのノイズ除去手法を開発・評価した.
個人の脳領域-機能マッピングから,相互作用する個人間での脳活動の関係性へと射程を拡大する最近の認知・社会神経科学のなかでも,さらに「この種の相互作用ではこの脳領域が同調」という静的・単層的な視点を越えて,「集団脳機能ダイナミクスの多次元的な特徴と主観的経験の多次元的な変動との対応」の探求を通じて動的・階層的・システム的な理解に向けた視点を提供したことが,本研究成果の学術的意義の中心である.実世界での集団的活動が生み続ける主観的体験を理解し,さらにその改善を支援する技術へと繋がる.
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 9件、 招待講演 2件)
Scientific Reports
巻: 9 号: 1 ページ: 1-13
10.1038/s41598-019-49257-z
Frontiers in Psychology
巻: 15 ページ: 1-15
10.3389/fpsyg.2019.02577