研究課題/領域番号 |
17H01858
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北山 兼弘 京都大学, 農学研究科, 教授 (20324684)
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研究分担者 |
和穎 朗太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター, 上級研究員 (80456748)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2017年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 生態学 / 環境変動 / 土壌学 / 環境分析 / 植物 |
研究成果の概要 |
日本列島では、テフラの降下が地質学的スケールで頻繁かつ広範に生じている。テフラには生元素として最も重要なリンが豊富に含まれるため、その降下は森林にリン施肥効果をもたらし、物質循環に影響を及ぼしうる。日本列島の自然林20ヶ所から土壌を採集し、テフラ加入量の指標として非晶質物質の濃度を選択溶解法により決定した。さらに、土壌リンの画分と濃度を逐次抽出法により決定した。森林生態系の非晶質物質の濃度は、火山からの距離などに応じて大きな変異を示し、土壌全リン濃度と有意な正の相関関係を示した。このことから、テフラの降下が森林生態系にリン施肥効果を及ぼし、生態系の維持に効いていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
陸域生態系の物質循環に与えるテフラの影響は、これまでほとんど研究されてこなかった。テフラは生命にとって必須のリンを一次鉱物として含有しリン供給源として働く可能性がある一方、テフラから生成される土壌鉱物(非晶質物質)はリン酸を強く吸着し植物にリン欠乏を生じさせる可能性もある。このどちらの効果が卓越しているのかは解明されていなかった。本研究から、テフラの加入が森林生態系にリンを施肥する効果を持ち、樹木がこれを利用することで森林生態系が持続している可能性を科学的に示した。火山噴火は災害をもたらす一方、自然生態系に栄養塩を供給する大きな生態系サービスを担っていることを示した。
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