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ゲノム動態解析に基づくブナ林の衰退兆候の評価法

研究課題

研究課題/領域番号 17H01884
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 環境影響評価
研究機関北海道大学

研究代表者

齋藤 秀之  北海道大学, 農学研究院, 講師 (70312395)

研究分担者 小倉 淳  長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (60465929)
高須賀 太一  北海道大学, 農学研究院, 准教授 (70748409)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
キーワードブナ林 / 衰退兆候 / ゲノム / トランスクリプトーム / プロテオーム / 光合成 / 葉緑体リボソーム / 環境影響評価 / ゲノミクス / プロテオミクス / 遺伝子発現 / 人工知能 / ブナ / 遺伝子発現解析
研究成果の概要

ゲノム情報を利用した森林樹木の環境影響評価の開発研究の一環として、ブナを対象にドラフトゲノムの精緻化を行い、トランスクリプトーム解析とプロテオーム解析に基づいて衰退兆候の指標性遺伝子の探索を行った。全国ブナ天然林の現地調査の結果から、葉緑体16SリボソームRNAを候補遺伝子の一つとして選抜した。葉緑体リボソームは葉緑体における遺伝子発現の翻訳調節を司るため、その減少は光合成の環境応答性を鈍らせ、樹体が衰弱を始める初期段階に関係している可能性が考えられた。したがって、葉の葉緑体16SリボソームRNA量の変動は衰退兆候を検出するための指標性遺伝子として有望であると考えられた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

森林衰退を未然に防ぐためには、樹木が衰弱する生理的兆候の早期発見が肝要である。本研究の学術的意義は、ブナ成木の衰退兆候の初期段階において葉の葉緑体リボソーム量の減少が恒常性維持機能の低下として関与している可能性を野外調査と環境操作実験から明らかにしたことである。この結果は、一見、緑豊かで健全に見えるブナ林の中に、生理的には環境ストレスに対する抵抗性が弱まり、気候変動に対して脆弱な状態にあるブナ林が存在していることを示唆する。この成果は、ブナ林衰退の早期発見に貢献する診断技術として新規に提案するもので、気候変動下の森林衰退リスク管理に役立てられると考えられる。

報告書

(4件)
  • 2020 研究成果報告書 ( PDF )
  • 2019 実績報告書
  • 2018 実績報告書
  • 2017 実績報告書
  • 研究成果

    (21件)

すべて 2020 2019 2018 2017

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (17件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 北海道東部で発生したカラマツ集団枯損における病虫害発生と生理状態の関係2020

    • 著者名/発表者名
      和田尚之・小野寺賢介・徳田佐和子・斎藤秀之・馬場俊希
    • 雑誌名

      北方森林研究

      巻: 68 ページ: 31-34

    • NAID

      130007858921

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] カラマツの枝条形成における長枝化と花芽分化の関係2020

    • 著者名/発表者名
      馬場俊希・斎藤秀之・宮本敏澄・渋谷正人
    • 雑誌名

      北方森林研究

      巻: 68 ページ: 53-56

    • NAID

      130007858900

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 樹木のエピジェネティクスに関する研究動向.-ゲノム網羅的なDNAメチル化解析について-2018

    • 著者名/発表者名
      斎藤秀之
    • 雑誌名

      北海道の林木育種

      巻: 61 ページ: 37-40

    • NAID

      40021807457

    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [雑誌論文] 施肥がもたらすブナの着花への効果2018

    • 著者名/発表者名
      和田尚之・小林壱德久・斎藤秀之
    • 雑誌名

      北方森林研究

      巻: 66 ページ: 67-68

    • NAID

      130008094563

    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ブナ衰退木の光合成関連遺伝子の発現調節2020

    • 著者名/発表者名
      樋口亮・斎藤秀之
    • 学会等名
      第131回日本森林学会大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] ブナ樹冠の花成遺伝子の発現に及ぼす硫酸と硝酸の異なる影響2020

    • 著者名/発表者名
      斎藤秀之・神村章子
    • 学会等名
      第131回日本森林学会大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 北海道で発生したカラマツ集団枯損における衰弱木の生理変化と遺伝子発現2020

    • 著者名/発表者名
      和田尚之・小野寺賢介・斎藤秀之・徳田佐和子
    • 学会等名
      第131回日本森林学会大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 機能ゲノム学的研究は森林樹木の環境応答の疑問にどこまで答えられるか?2019

    • 著者名/発表者名
      斎藤秀之
    • 学会等名
      樹木の生態に対するシンクベースの生理的機序からの探求-現象から解析手法まで
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 細胞分裂の季節変動からみた葉の形成2019

    • 著者名/発表者名
      和田尚之・斎藤秀之
    • 学会等名
      樹木の生態に対するシンクベースの生理的機序からの探求-現象から解析手法まで
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ブナ樹冠における葉の花成遺伝子の発現に及ぼす酸化ストレスの影響2019

    • 著者名/発表者名
      斎藤秀之・神村章子
    • 学会等名
      第68回北方森林学会大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 北海道東部で発生したカラマツ集団枯損における病虫害発生と生理状態の関係2019

    • 著者名/発表者名
      和田尚之・小野寺賢介・斎藤秀之・馬場俊希・徳田佐和子
    • 学会等名
      第68回北方森林学会大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] カラマツの枝条形成における長枝化と花芽分化の関係2019

    • 著者名/発表者名
      馬場俊希・斎藤秀之・宮本敏澄・渋谷正人
    • 学会等名
      第68回北方森林学会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] ブナ葉のリボソーム遺伝子発現におけるエピジェネティック制御2019

    • 著者名/発表者名
      斎藤秀之
    • 学会等名
      第130回日本森林学会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [学会発表] ブナの葉緑体ゲノム全塩基配列の決定と構造解析2018

    • 著者名/発表者名
      樋口 亮・神村章子・斎藤秀之
    • 学会等名
      第67回北方森林学会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [学会発表] ブナの健全性指標におけるリボソームRNAの可能性2018

    • 著者名/発表者名
      斎藤秀之・神村章子・樋口 亮・小倉淳
    • 学会等名
      第67回北方森林学会
    • 関連する報告書
      2018 実績報告書
  • [学会発表] 遺伝子発現プロファイルに基づくブナ林の衰退兆候の検出2018

    • 著者名/発表者名
      斎藤秀之・神村章子・小林壱德久・山口高志・和田尚之・樋口亮・小倉淳・瀬々潤
    • 学会等名
      第129回日本森林学会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [学会発表] ブナ衰退木の葉のプロテオミクス解析2018

    • 著者名/発表者名
      樋口 亮・大橋慧介・和田尚之・神村章子・高須賀太一・ 堀 千明・斎藤秀之
    • 学会等名
      第129回日本森林学会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [学会発表] ブナ花成のエピジェネティクス-FTの発現誘導を司るDNAメチル化の役割-2018

    • 著者名/発表者名
      和田尚之・斎藤秀之
    • 学会等名
      第129回日本森林学会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [学会発表] ブナのドラフトゲノム2017

    • 著者名/発表者名
      斎藤秀之・小林壱德久・神村章子・小倉淳・瀬々潤
    • 学会等名
      第66回北方森林学会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [学会発表] ブナ過熟木の葉における遺伝子発現プロファイル2017

    • 著者名/発表者名
      樋口 亮・斎藤秀之・和田尚之・小倉淳・瀬々潤・渋谷正人・小池孝良
    • 学会等名
      第66回北方森林学会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書
  • [学会発表] 施肥がもたらすブナの着花への効果2017

    • 著者名/発表者名
      和田尚之・小林壱德久・斎藤秀之
    • 学会等名
      第66回北方森林学会
    • 関連する報告書
      2017 実績報告書

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公開日: 2017-04-28   更新日: 2024-12-25  

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