研究課題
基盤研究(B)
HClと炭素質物質の反応による有機塩素化合物の生成メカニズムを解明するため、高い塩素化能を有するZnをドープした炭素のモデル構造に対して分子軌道計算を行った。その結果、ZnOの存在によりHClが化学的に吸着する活性な炭素サイト数が増加する可能性が示唆された。また、ZigzagサイトではZnOはHClの吸着安定性に寄与しないと推論された。くわえて、ZnOは炭素質物質全体の電子状態に大きな影響を与えることも見出した。次に、有機塩素化合物のClソースであるHClの除去を目的に、天然ソーダ灰をハニカムに担持した吸収剤を製造したところ、除去剤として非常に有望なことを明らかにした。
本研究では、分子軌道計算法を用いZnをドープした炭素のモデル構造の電子状態を調べ、Znにより電子が局在化する部分を特定する一方、HCl吸着種の安定性を明らかにし、また、有機塩素種の塩素源の1つであるHClの除去を目的に、安価で資源量が豊富な天然ソーダ灰をハニカムに担持したNaベース吸収剤を製造し、その高いHCl除去性能を見出した。本成果により、HClによる未燃炭素粒子からの有機塩素化合物の発生を防止する手法の開発や有害化合物を発生させない添加剤などの開発が可能となり、学術的にも社会的にも意義の高い研究と言える。
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