研究課題/領域番号 |
17H01901
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境モデリング・保全修復技術
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
新里 尚也 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (00381252)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2017年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 嫌気環境 / 原生動物 / 細胞内共生 / ゲノム解読 / 脂肪酸合成 / 嫌気 / メタン / バクテリア / 排水処理 / 水処理技術 / メタン生成 / ゲノム |
研究成果の概要 |
本研究では、下水処理プロセスで水の浄化に主要な役割を果たす、トリミエマ原虫の共生バクテリアTC1の全ゲノム情報を解析し、TC1が宿主原虫よりアミノ酸を得て脂質の合成を活発に行っている可能性を示した。また、シクリディウム属に近縁な原生動物(シクリディウム原虫)にもメタン生成菌に加えて、機能未知の共生バクテリアが存在することを明らかにし、これをヒドロゲノソモバクター・エンドシンビオティカスと命名した。組織化学的解析の結果、メタン生成菌とヒドロゲノソモバクターは共に、宿主の水素生成オルガネラである、ヒドロゲノソームに密着して存在していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
下水処理プロセスで水の浄化に主要な役割を果たす原生動物は、メタン生成菌を始めとした原核微生物を細胞内に共生させていることが多い。メタン生成菌は、宿主原生動物の嫌気代謝の結果生じる水素をメタン化することで、宿主による不溶性有機物の代謝を活性化している。その一方で、それ以外の共生微生物については宿主への寄与が明らかとなっていなかった。本研究は、下水処理プロセスで働く原生動物の共生バクテリアが、脂質合成を行って宿主へ供給するとともに脂質顆粒の形成を促し、宿主の飢餓条件への適応度を高めている可能性を示した。本研究成果は、原生動物の代謝基盤の理解を深め、プロセスの安定化や高度化に寄与すると考えられる。
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