研究課題/領域番号 |
17H02017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 俊夫 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 名誉教授 (10135387)
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研究分担者 |
齋藤 努 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (50205663)
山田 哲也 公益財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (80261212)
南 雅代 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (90324392)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 放射性炭素 / 放射性炭素年代測定 / 古代鉄資料 / 鉄サビ部の年代測定 / 石英管燃焼法 / 鉄中炭素の回収率 / 加速器質量分析 / 14C年代の暦年較正 / 石英管封管燃焼法 |
研究成果の概要 |
石英管内で金属鉄を加熱、酸化して鉄中の炭素を回収する方法を検討した。石英管内に1gの鉄試料と4gの助燃剤(CuO)を封入して、1000℃で15時間加熱した場合、炭素収率は90%程度であり、外来炭素の汚染無しに14C年代測定に必要な炭素量が回収できる。 この方法を用いて、日本刀から分取した金属鉄中の炭素を抽出し、年代測定を行い、日本刀の公式な鑑定年代と比較した。公式鑑定は、測定結果とほぼ一致した。出所が不明な日本刀では古すぎる14C年代が得られ、14C年代を基に出所来歴の詳細を検討する必要がある。サビ鉄でも、予想される14C年代が得られたことから、サビ鉄の14C年代測定の実用化が可能になる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人類の文化発展の研究において、世界、また日本における鉄利用の歴史の編年は、非常に重要な研究テーマである。これまでは鉄資料自体の年代測定を実施することがきわめて限られていたため、鉄資料の編年において代替試料の年代測定で済ませて編年を行っていた。また日本刀では、刀に刻まれた文字の判読や刀の形状・刃紋などの概観を観察して鑑定士が判定してきた。このため古代鉄・日本刀の編年の信頼度が不十分なものとなっていた。本研究により、日本刀や各地で発掘される鉄試料について、金属鉄はもとより錆びた鉄についても、その製作年代が高精度・高確度で明らかになれば、鉄資料の編年研究が大きく進展するものと期待される。
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