研究課題
基盤研究(B)
1) 研究協力者より調達したTTX類縁体に対するNav1.1-1.7の感受性を調べ、チリキトキシン(CHTX)が立体反発によりNav1.7に対して低結合性を示すこと、2)既報に反して4,9-anhydroTTXがNav1.6に対して低結合性であること、3)デオキシ体はいずれのNavサブタイプに対しても低結合性であることを明らかにした。2) 別の研究協力者よりお預かりした各種TTX、STX誘導体のNav阻害活性を調べ、通常は低結合性を示すNav1.5に対して高親和性を示す誘導体を見出した。3) クロイソカイメン抽出物よりNav阻害物質としてアラキドン酸を見出し、その機構詳細を調査した。
9つある電位依存性ナトリウムチャネル(Nav)は「不整脈」や「癲癇」「慢性疼痛」の源である。こうした疾患治療の原石と言えるNav阻害剤を探索した本研究の意義は重要である。簡便かつ安価に判別できるハイスループットスクリーニング系の構築は困難であったが、代替法として多検体処理には不向きであった電気生理的手法を用いてクロイソカイメンからアラキドン酸をスクリーニングした成果を特記したい。さらに同手法を用いて特定のサブタイプに親和性または阻害性を示したテトロドトキシンおよびサキシトキシン の誘導体は医薬資源の原石であり、今後、さらに発展させていく所存である。
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