研究課題
基盤研究(B)
非空間的視覚記憶課題を遂行中のマカクザルでイメージングによる全脳機能マッピングを行い、前頭前皮質 (PFC)を含む認知記憶ネットワークを同定し、PFCの活動部位に抑制性DREADDを発現させた。我々が開発した新規DREADDアゴニストDCZの投与により、まず課題成績の低下を明らかにした。またDCZ投与下で課題中のイメージングを行う事で、DREADDを発現させたPFC活動部位における局所抑制に加え、側頭皮質の活動部位における遠隔抑制を見出した。さらにPFC活動部位の抑制下で側頭皮質の活動部位から課題中のニューロン活動を電気生理記録し、ネットワーク作動変容の実体をマルチスケールに明らかにした。
認知記憶の障害は、多くの神経・精神疾患における主要な症状の一つである。本研究は、化学遺伝学と認知課題を、機能イメージング、電気生理等のマルチモーダルな神経活動計測と組み合わせる事により、ヒトに近い脳構造と機能を有する霊長類モデルにおいて、認知記憶を支える前頭葉ー側頭葉ネットワークの作動及び機能について、因果的かつマルチスケールな理解をもたらした。これにより、ヒトにおいてそれに対応する症状及びその責任神経回路についての理解が深まり、ひいては新たな治療もしくは介入法等の開発に繋がり得ると考えられる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 6件)
Nature Neuroscience
巻: 23 号: 9 ページ: 1157-1167
10.1038/s41593-020-0661-3
Nature Communications
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10.1038/s41467-018-07007-1