研究課題/領域番号 |
17H02304
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
芸術一般
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
平田 栄一朗 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (00286600)
|
研究分担者 |
針貝 真理子 東京藝術大学, 音楽学部, 准教授 (00793241)
北川 千香子 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (40768537)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2017年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
|
キーワード | 文化研究 / 演劇研究 / オペラ研究 / 文学研究 / 演劇 / パフォーマンス / オペラ / 舞踊 / 文化論 / 演劇学 / パフォーマンス研究 / 美学 |
研究成果の概要 |
本研究(越境文化演劇研究)の3名の研究者は、3年間の期間において3回の国際シンポジウム、10回の講演会とワークショップを開催し、国内外の学会にて6回発表を行った。自文化と異文化を明確に分ける従来の研究と異なり、本研究はベルンハルト・ヴァルデンフェルスの文化論を継承して、私たちが自文化の中にある「異他性(das Fremde)」の実態を多角度から見つめることで、自文化と異文化に対する私たちの意識を広げ、同時により繊細にする可能性を模索した。この可能性の模索には、日常から一歩を引いた次元の芸術体験が有効であるが、その有効さの多様性をヨーロッパ、アフリカ、東アジアの研究者との議論によって確認できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、世界の多くの国々で、地域・伝統文化を重んじる「文化的アイデンティティ」の傾向が高まっている。文化的アイデンティティは、地域や国がその統一性をアピールするのに役立つ一方、同一文化内における個の多様性が軽視されたり、異文化を自文化と明確に異なるものとして強調することで、排外主義を助長しうる。本研究は異質性を異文化だけでなく、自文化にも見出して、自文化の自明性を問い直すことで、自文化と異文化の複雑な関係性への繊細な見方を可能にする。その見方は、文化が一般的に考えられる以上に多様であることを私たちに気づかせ、その多様性こそが私たちの個性を尊重する真の多元文化社会を促進すると考えられる。
|