研究課題
基盤研究(B)
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)によるがん治療では、腫瘍への効率的かつ選択的なホウ素製剤送達システムを開発する必要がある。先行研究では、ホウ素製剤 の生体環境下における分散性や腫瘍組織への選択性に問題があり、BNCT による治療効果はさほど高くなかった。 そして今回、まず、ホウ素を高濃度で含む含ホウ素ナノ粒子(B-NP)を親水性ポリマーであるポリグリセロール(PG)で被覆することにより B-NP-PG を合成し、その高い水分散性を確認した。 次に、これを担がんマウスに導入し、中性子線を照射した後、マウスの腫瘍サイズを約1カ月間モニターしたところ、顕著な腫瘍成長抑制効果が見られた。
BNCT において、中性子は人体に取ってほとんど無害であり、また、ホウ素が崩壊して生成するα線やリチウム原子の飛程は、数十μmであり、腫瘍近傍の健全な細胞を殺傷することはない。したがって、今回、B-NP-PGを用いて得られた結果は、副作用のない、非侵襲的ながんの治療法としての BNCT のより効率的な治療に繋がる可能性があり、学術的のみならず、社会的にも大きな意義があると考えられる。
すべて 2022 2021 2020 2019 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 13件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 25件、 招待講演 7件) 図書 (1件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Carbon Reports
巻: 1 号: 2 ページ: 70-78
10.7209/carbon.010204
J. Porphyrins Phthalocyanines
巻: 24 号: 01n03 ページ: 314-319
10.1142/s1088424619501086
Carbon
巻: 164 ページ: 395-401
10.1016/j.carbon.2020.02.089
Science Advances
巻: 6 号: 37 ページ: 9636-9636
10.1126/sciadv.aba9636
120006886567
Pharmaceutics
巻: 11 号: 1 ページ: 42-42
10.3390/pharmaceutics11010042
Nanotechnology
巻: 30 号: 22 ページ: 224002-224002
10.1088/1361-6528/ab0627
Small
巻: 15 号: 48 ページ: 1901930-1901930
10.1002/smll.201901930
Angew. Chem. Int. Ed.
巻: 58 号: 50 ページ: 17918-17929
10.1002/anie.201905997
2D Materials
巻: 6 号: 4 ページ: 045035-045035
10.1088/2053-1583/ab377b
巻: 31 号: 7 ページ: 075704-075704
10.1088/1361-6528/ab5077
Biomaterials
巻: 181 ページ: 35-52
10.1016/j.biomaterials.2018.07.035
Nanomedicine
巻: 13 号: 2 ページ: 157-178
10.2217/nnm-2017-0266
J. Biomed. Nanotechnol.
巻: 13 号: 3 ページ: 280-289
10.1166/jbn.2017.2350
Chemisty A European Journal
巻: 23 号: 62 ページ: 15713-15720
10.1002/chem.201702785
J. Control. Release
巻: 268 ページ: 128-146
10.1016/j.jconrel.2017.10.024
http://www.komatsu.h.kyoto-u.ac.jp/index.html
http://www.komatsu.h.kyoto-u.ac.jp/en/