研究課題
基盤研究(B)
生体膜に存在するイオンチャネルはイオンを選択的に透過させることで、細胞における膜電位形成やシグナル電位発生等の役割を担うため、重要な創薬標的である。本研究では、油中の2つの水滴界面に脂質二重膜を作る人工細胞膜を利用してイオンチャネルの1分子機能を電気的に計測するための基盤技術研究を行った。本技術の膜構成要素である脂質・油相・水相の組成により脂質二重膜の形成成否と形成される膜厚が影響を受けること、また膜形成のためのマイクロチップの表面物性・構造が膜の機械的安定性に影響を及ぼすことを示した。本成果にもとづき、イオンチャネルに対する化合物バリデーションの自動化を分注ロボットを用いて行った。
創薬標的としても重要なイオンチャネルの機能研究は、古くから研究者の熟練を必要とする手動操作に依存しており、データ取得効率に課題があった。近年、マイクロチップ上に人工細胞膜を形成する技術が提案され、イオンチャネル機能研究への応用が期待されている。本研究では、マイクロチップ上への人工細胞膜形成とイオンチャネルの再構成を自動化するための基礎技術の研究を行った。本研究をさらに発展させ、イオンチャネルの機能評価が自動化されることで、イオンチャネル研究の裾野は広がり、その機能解明を通した生命科学や創薬への寄与が期待できると考えている。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 9件、 招待講演 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (5件) (うち外国 1件)
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