研究課題/領域番号 |
17H02822
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
量子ビーム科学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
池永 英司 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (90443548)
|
研究分担者 |
金山 直樹 信州大学, 総合医理工学研究科, 准教授(特定雇用) (80377811)
中尾 愛子 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (60342820)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
|
キーワード | 溶液の電子状態 / 固-液界面 / 大気圧溶液セル / 硬X線光電子分光 / 放射光 / 固液界面 / 電子状態 / 固気・固液界面 / 放射光光電子分光 |
研究成果の概要 |
本研究は、光電子分光においてフロンティア研究分野といえる液体の電子状態探索に挑む計測開発である。光電子透過窓を用いた「大気圧溶液セル」に電位印加計測を加えた高度計測の開発を行い、とくに微粒子-溶質界面をもつ系(コロイド溶液等)における複雑な固液界面現象の理解を深化させた。NaCl溶液に分散するAuナノ粒子(AuNP)における電子状態の観測から、AuNP表面はイオン吸着によって負帯電し、それを取り囲む電気二重層の形成がもたらすクーロン反発相互作用が起因となって、分散状態を保つ構造を提案した。また液中電位印加測定にも成功し、電圧印加下におけるダイナミクス計測および広範な研究分野への適用を図った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、液状の資源・エネルギー・環境・医療問題の解決や技術開発の進歩に貢献する。電解液を用いる燃料電池等の高効率な次世代クリーンエネルギー開発や触媒効果を利用した高価な元素の大量消費を回避させる低炭素型社会の構築が求められる現状で、液体のような湿潤試料の界面電子状態分析は、これらの重要な課題を解決する最も有効な手段である。くわえて液体を対象とした電子状態の研究分野は、その計測の困難さから敬遠され、著しく遅れているのが現状である。このため光電子分光計測分野において、フロンティア研究分野といえる液体電子状態探索に挑み、放射光を用いた新規高度分光計測として端緒を開いたことが最大の成果である。
|