研究課題/領域番号 |
17H02918
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀧川 仁 東京大学, 物性研究所, 教授 (10179575)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2019年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2018年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2017年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 核磁気共鳴 / 多極子 / スピン軌道相互作用 / 非クラマース系Pr化合物 / スピン軌道強結合系 / 非クラマース基底状態 / 重い電子系 / フラストレート磁性 |
研究成果の概要 |
本研究では、非クラマース・プラセオジム3価イオンを含むカゴ状化合物PrTi2Al20について詳細はアルミサイトのNMR測定や磁化・比熱測定を行い、磁場に対して異方的な強四極子秩序相図を決定した。特に[001]および[110]方向の磁場下では2テスラ程度の弱磁場によって四極子秩序変数が不連続にスイッチする相転移を発見し、ゼーマン相互作用と四極子間相互作用の競合を仮定したランダウ現象論やモデル計算によって、その物理的機構を提案した。また二重ペロブスカイト化合物Ba2RMgReO6に対する酸素サイトNMRによって、5d電子系の多極子秩序変数を決定するために必要な微視的データを得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カゴ状化合物PrTi2Al20に対する詳細な明見NMR実験によって、非磁性の結晶場基底状態を持つ4f電子系における磁場誘起の四極子相転移を始めて発見した。また対称性に基づく理論的考察によって、磁場によるぜーまエネルギーと四極子間相互作用の異方的な磁場依存性の競合がこの現象の原因となっている可能性を指摘し、非クラマース系の理解の発展に貢献した。さらに研究対象を拡大して、二重ペロブスカイト化合の酸素サイトNMRに行うことにより、5d電子系における多極子秩序研究の進展に貢献した。
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