研究課題/領域番号 |
17H02943
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理・化学物理・ソフトマターの物理
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松原 弘樹 九州大学, 理学研究院, 准教授 (00372748)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
19,370千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 4,470千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2017年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
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キーワード | ナノフルイド / ピッカリングエマルション / 濡れ転移 / 線張力 / カーン転移 / ナノ粒子 / 界面物性 / ナノ粒子分散液 |
研究成果の概要 |
気液、液液界面は近年ナノ粒子の2次元構造体の形成に広く応用されている。粒子膜の構造はその接触角に大きく依存するが、本研究では、異なるサイズのシリカ粒子で調整したピッカリングエマルションの解乳化温度の測定から、ナノ粒子の接触角に及ぼす線張力の影響を明らかにした。例えば、水とルチジンの界面に粒子が吸着したときにできる一次元境界働く線張力は境界線を安定にする作用があるため、接触線が最も長くなる角度90度で吸着が起こる。線張力によって吸着ナノ粒子の接触角を制御できることにより、ナノ粒子二次元構造体を作成する科学的なデザインに新しい方法を加えることができる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カーン転移が駆動力する微粒子の自己集積は、微粒子の種類によらない一般的な物理現象と考えられていたため、微粒子の粒径依存性については注意が払われてこなかった。したがって、ナノ粒子濃厚分散液が粘調化しないという事実をカーン転移との相関の中で理解する本研究には、従来の定説を修正し、新しい学理を打ち立てる学術的な意義がある。また、ナノフルイドの低粘性が従来の濡れ転移の概念から逸脱した特異例であるという視点は、本研究によりナノ粒子の界面吸着が線張力に大きな影響を受けるという結論に繋がった。これはナノフルイドの産業的なデザインを理論面から支え、新材料開発にもつながることが予想される点で応用面でも意義深い。
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