研究課題/領域番号 |
17H02946
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理・化学物理・ソフトマターの物理
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
石崎 章仁 分子科学研究所, 理論・計算分子科学研究領域, 教授 (60636207)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2018年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2017年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 電荷移動ダイナミクス / 電荷再結合 / 光合成光捕集系 / 量子ダイナミクス / 分子計測 / 量子もつれ光 / エネルギー移動 / 量子もつれ光子 / 時間分解分光スペクトル / 量子光学 / 非線形光学応答 / 光合成初期過程 / 太陽光 / 初期電荷分離 / 電子移動 / スピン輸送 / 量子もつれ光子対 / 光化学系II / 擬似太陽光 / 電荷分離反応 / 光合成反応中心タンパク質 / 光合成反応中心 / 量子非局在化 / デコヒーレンス / 化学物理 / 量子動力学 / 分子分光モデリング |
研究成果の概要 |
PSII初期電荷分離過程における色素分子の分子内振動とタンパク質環境の影響、それらの競合に着目し、量子動力学理論と量子化学計算を組み合わせることで解析し、電荷分離過程がタンパク質環境や外界変動に対して持つ頑健性を示した。また、有機物質における電子フォノン相互作用によるポーラロン形成および量子コヒーレンスとそのデコヒーレンスとの競合に着目し、ポーラロンの形成過程を含めた量子ダイナミクス計算を行った。その結果、ポーラロン形成がコヒーレントな超高速電荷分離過程からインコヒーレントな電荷再結合過程への遷移を引き起こし、これにより電荷再結合を遅らせることで電荷分離状態が長時間維持され得ることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子ダイナミクス理論・分光データ解析・計算化学を統合させることにより得られた成果は、光合成光捕集系がその効率性と恒常性を維持するために自律的に制御していると考えられる「色素分子間の光誘起電荷分離反応とそれに続く電荷再結合反応の制御の分子機構」を解明する上で重要な洞察を与えている。 産業技術へ応用という視点からは、電荷再結合過程の回避・制御に関する理解の深化が挙げられる。人工光合成や太陽電池の高効率化を図る上でボトルネックになる問題の一つは、光照射によって分離した電子と正孔の電荷再結合過程をどう防ぐかである。この意味で、本成果は光電変換効率の高いシステムのデザインに向けた有意義な洞察を与える。
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