研究課題/領域番号 |
17H03027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小島 隆彦 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20264012)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
18,980千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 4,380千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | ルテニウム錯体 / 酸化反応機構 / 反応速度論 / 高原子価状態 / 触媒・化学プロセス |
研究成果の概要 |
本研究では、酸化活性種として機能するルテニウム(IV)-オキソ(RuIV=O)錯体、及び前例のないルテニウム(V)-イミド(RuV=NH)錯体の合成とキャラクタリゼーションを行った。まず、従来知られていなかったRuIV=O錯体の電子移動(ET)及びプロトン共役電子移動(PCET)の再配列エネルギー(λ)を決定した。また、PCETのλ値がETのそれよりも小さいことがわかった。次に、酸性水溶液中でのRuII-NH3錯体のPCET酸化過程を解明し、RuV=NH錯体のキャラクタリゼーションを行った。RuV=NH錯体によるC-H酸化反応は、溶媒のプロトンが関与するヒドリド移動で進行することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られた成果は、酸化活性種として盛んに研究されている高原子価金属―オキソ及び-イミド錯体の反応性の理解を深める上で、非常に重要である。Ru(IV)=O錯体の電子移動特性の解明は、それらが関与する水素移動反応がどのような駆動力で進行するかに重要な示唆を与える。また、前例ないRuV=NH錯体の水溶液中での反応性が、これまでに知られているRu(V)=NR錯体とは一線を画すものであり、RuV=NH錯体によるC-H酸化反応が、窒素原子の基質への移動を水素移動ではなく、溶媒からのプロトン移動が関与するヒドリド移動で進行することを見いだしたことは、関連する酸化反応の化学に大きなインパクトを与えた。
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