研究課題
基盤研究(B)
本研究では 有機半導体の素子において電子スピンを反転させた際に発生する 電流変化を利用する技術開拓を行った。有機EL素子ではその電流変化を与えるのは電子正孔対のスピン反転であることを明らかにした。その電子正孔対は電圧を増加させると減少することがわかった。その減少によりELプロセスは電圧に応じて、ペア蓄積領域、ペア解離・再結合領域、非ペア形成領域の3つの領域に分類されることがわかった。またその電子正孔対の性質が有機EL素子の磁場応答性を決定することを明らかにした。金属二層薄膜の強磁性共鳴にて生じる起電力についても調べ、共鳴による励起電力と起電力の関係を明らかにした。
有機物質を代表とする半導体や導体には電子スピンをもつキャリヤやその複合体が存在しているが、そのスピンを磁気共鳴操作を用いて反転した際に素子にどのような影響が生じるか調べることは、新しいデバイスへの応用やデバイス内の物性を調べる手段を模索する意味で重要である。この研究ではその技術開拓を行うことを主眼とし、研究を行った結果、電子スピンの反転による電流変化を与える電子状態の起源を明らかにでき、さらには新たなスピン物性の開拓及び応用展開を行える手掛かりを得ることができた.
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件) 産業財産権 (1件)
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