研究課題
基盤研究(B)
臭化リチウム(LiBr)水溶液を吸収液とした吸収冷凍機は、未利用排熱の有効利用が可能な機器として期待されている。しかし現状では、LiBr水溶液中に析出するLiBr水和物結晶により運転条件が制限されるため、十分な性能を発揮できていない。本研究では、合成高分子のポリビニルアルコールがLiBr水和物の結晶面に作用して、非平衡状態のまま水溶液中で結晶の粗大化や成長を抑制することを、実験的に確認することができた。
本研究では、ポリビニルアルコールが臭化リチウム(LiBr)水和物の結晶面に作用して、非平衡状態のまま結晶の粗大化や成長を抑制することを明らかにした。非平衡状態での結晶成長抑制は、バイオミネラルなどの無機結晶の成長制御や、細胞凍結保存における氷の結晶成長の制御においても重要な課題であり、本研究の成果の学術的な波及効果は大きい。また、今後は吸収冷凍機への応用技術開発に発展する可能性があり、社会的意義も大きい。
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