研究課題
基盤研究(B)
本代表者らが考案した、イオン化による回転コヒーレンス測定を利用したアイソトポマー(同位体分子種)存在比計測の有用性を実証するために、N2O分子を対象として実験およびシミュレーションを実施した。fsレーザー2パルス照射による実験では、N2O分子の回転コヒーレンスに由来するイオン収量の振幅をフーリエ変換することで、N2Oの回転ラマンスペクトルが算出できた。分子回転波束計算によるシミュレーションでは、イオン収量の振幅をフーリエ変換して得られた回転ラマンスペクトルは、イオン化の角度依存性にほとんど影響されないため、レーザー照射条件の変動に対してロバストな、信頼性の高い手法であることを示せた。
同じ質量数のアイソトポマーや、同位体の分子内位置だけが異なる同位体位置異性体を有する分子の存在比は、その物質の生成過程や物質循環に関する情報を豊富に含んでいるため、幅広い分野で注目され、活用が進められている。しかし、既存の計測手法では計測精度・感度に限界がある。本研究では、最先端のレーザー分子制御手法を適用することで、高い検出感度および質量識別能力を有する質量分析法と、同質量数のアイソトポマーや同位体位置異性体の識別能力を有する分子分光分析法の、双方の利点を兼ね備えたアイソトポマー存在比計測手法を確立し、その性能を定量的に評価した。
すべて 2021 2020 2019 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 6件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
Chemistry Letters
巻: 49 号: 4 ページ: 416-418
10.1246/cl.200024
130007828845
Science Advances
巻: 5 号: 5
10.1126/sciadv.aaw1885
Applied Physics B
巻: 124 号: 1
10.1007/s00340-017-6884-7
http://ncms.qst.go.jp/site/kansai/2657.html