研究課題
基盤研究(B)
ダイヤモンド中の窒素・空孔(NV)センターは、超高感度量子センサとして知られている。本研究では、NVセンターを高感度温度計として利用し、X線検出器の一種であるカロリーメータへ適用するための基礎研究を行った。具体的には、(1)NVセンターによる温度計測をさらに高感度化するためのアプローチとして量子もつれ状態に着目し、量子もつれ状態を生成するために不可欠な「NVセンターの多量子ビット化」技術の開発に成功した。また、(2)硼素添加の単結晶ダイヤモンドが数K領域で超伝導を示す特徴に着目し、ダイヤモンドカロリーメータ開発に必要な数K動作の超伝導量子干渉計(SQUID)の開発に成功した。
NVセンターを利用した量子センサは、社会実装を目指した研究開発が盛んに進められている。SQUIDも超高感度センサ等の製品に利用されている。本研究で成功したNVセンターの多量子ビット化や数K動作ダイヤモンドSQUIDは、実用化フェーズの既存技術をさらに高感度化できると期待され、社会的な意義は高いといえる。NVセンターの多量子ビットやダイヤモンドSQUIDの成果は、双方ともに世界で初めて成功した事例であり、これらを用いて新しいセンシング技術の研究が進むものと考えられ、学術的な意義も高い。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 10件、 招待講演 6件) 産業財産権 (1件)
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