研究課題
基盤研究(B)
本研究では神経回路形成因子LOTUSの生理機能を利用した臨床応用可能な神経再生治療法の確立を目的とし、脊髄損傷モデルと視神経損傷モデルにおいてLOTUSタンパク質製剤およびLOTUS遺伝子を投与または導入した効果を検討した。LOTUSタンパク質の外来性投与では脊髄損傷及び視神経障害のモデル動物においてコントロール群に比して顕著な機能改善や組織学的再生が認められた。また、アデノ随伴ウイルスによる遺伝子導入では、視神経損傷モデル動物においてコントロール群に比して再生軸索の有意な突起伸長が誘起された。以上の結果から、外来性に投与したLOTUSは神経再生を惹起して機能改善に寄与することが判明した。
本研究により、外来性に投与したLOTUSタンパク質またはLOTUS遺伝子導入は神経障害において有意な神経再生を惹起して機能改善に寄与することが判明したことから、未だに治療法が確立していない種々の神経障害や様々な脳疾患における軸索変性に対し、LOTUSのタンパク質製剤や遺伝子導入による治療法が奏功する可能性が示唆される。LOTUSは内在性のタンパク質であり成体の中枢神経系に豊富の発現しているが、損傷や疾患によって急激にその発現量が減少するため、LOTUSの機能不全によって神経再生が困難になると考えられる。従って、LOTUSを外来性に補填する補充療法は理に適った新たな治療法として期待される。
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