研究課題
基盤研究(B)
古典的Wntシグナルによって正に制御される新規分子FRMD5と、負に制御される新規分子IFIT2を同定した。大腸がんにおけるFRMD5の発現増加は浸潤との関連を認め、FRMD5発現が高い腫瘍は予後不良であることが判明した。一方、IFIT2発現が低い細胞は増殖やアポトーシス抵抗性と関連することを見出した。さらにIFIT2の発現を制御する転写因子としてIRF1を同定し、Wnt活性化によるIFIT2発現低下がIRF1タンパク質の不安定化によるものであること、Wntシグナルにより抑制されるUAF1に結合する脱ユビキチン化酵素USP1がIRF1タンパク質の不安定化に関与することを見出した。
本研究成果は大腸がん発生・進展メカニズムの理解に役立つのみならず、新たなバイオマーカーや治療薬開発などに応用できるかもしれない。学術面では、Wnt活性化により特定のタンパク質分解が誘導されるという発見は、これまで知られていない新たなWntシグナル制御機構で、他にも制御される分子が存在する可能性が考えられる。社会的意義ではFRMD5の発現と臨床情報の詳細な検討により、FRMD5が新規予後マーカーとして利用できる可能性が示された。またWnt阻害によって発現が増加するIFIT2やIRF1は、Wntを阻害する化合物、抗体等の探索プローブとしての応用が可能であり、今後の治療薬開発に役立つかもしれない。
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すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 3件、 査読あり 14件、 オープンアクセス 10件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件、 招待講演 4件) 備考 (3件)
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