研究課題
基盤研究(B)
ES-内皮分化におけるゲノムワイド解析を進め、内皮を規定する転写因子の発現カスケードを同定した。一方終末分化した内皮細胞において、ERGとFLI1発現を喪失させると、内皮-間葉系細胞形質転換(EndMT)現象が生じ、全ての内皮マーカーの消失と間葉系マーカーの発現上昇が認められた。これらEndMT現象ががん微小環境下、腫瘍血管内皮で進行することが実証された。更にダウン症因子(DSCR)-1を内皮特異的にダウン症様発現を行うモデルマウスを樹立した。本マウスは血管分岐異常や血管密度の低下が胎仔期に認められ、NFATシグナルが血管リモデリングにおいてその分岐形成に深く関与することが示唆された。
内皮活性化に関わる NFAT/DSCR-1経路において、DSCR-1はダウン症の発症要因となる一方、DSCR-1 自体のトリソミー発現がダウン症の固形がん罹患率減少の主因となり、抗がんや抗転移における優れた有効性を持つ。また、がんの悪性化、転移において腫瘍血管内皮の EndMT 現象が関与することが考えられ、その分子メカニズムの一端が解明されたことにより、今後抗がんにおける腫瘍血管の動態解析の重要性が再認識され、新規な DSCR-1 安定化剤の創薬や臨床アプローチが進むことが期待される。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 4件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 7件、 招待講演 6件) 備考 (4件)
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