研究課題
基盤研究(B)
ヒトやマウスを含む高等生物のゲノムからはタンパク質をコードしないノンコーディングRNAが大量に転写されている。本研究では、膨大な数の未解析lncRNA群の中から生理機能を持つ候補遺伝子を体系的に選び出し、その機能解析を効率良く進める手法を確立することを目指した。その結果、UV照射後のRNAの回収量を指標に、タンパク質と強固な複合体を形成している機能性lncRNAを予測することができることが明らかとなった。また、簡易ゲノム編集法であるiGONAD法を用いて、lncRNAの機能を欠失するゲノム編集マウスを効率よく作製する手法を確立した。
膨大な数のlncRNAが重要な機能を持っているのか。あるいはそれらは単なる転写のノイズであり機能的な役割を果たしていないのか。この問題に関してはlncRNAの発見以来20年以上に渡って議論が続いており、変異体を作製してその表現型解析を行うことの重要性が指摘されている。本研究の成果によって効率よく機能性のlncRNAを予測することが可能となり、機能未知のlncRNAの役割について、実験的な検証が加速することが期待される。
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