研究課題
基盤研究(B)
有性生殖の意義は生物学における長年の課題である。モデル生物C.elegansに最も近い種である線虫Diploscapter coronatusは長期にわたり単為発生を続けてきたと考えられる。この線虫のゲノムを解析したところ、染色体は1対(2n=2)であり、相同染色体が互いに約6%という高いヘテロ性を示すことがわかり、減数分裂に関わる遺伝子の欠損や異常が見つかってきた。本研究では、さらに長鎖シーケンスの手法を用いて染色体レベルに近いphasing(相同染色体毎の完全配列決定)を行い、C.elegansゲノムとの関係を明らかにした。その結果、染色体融合を含めた複雑なゲノム進化が示唆された。
線虫は多様な生殖様式を示す種があり、今後ゲノム解析が進展し、多くの近縁種との比較ができれば、単為生殖へのプロセスを明らかにし、有性生殖の意義にも迫れるかもしれない。生殖は社会的に興味が持たれる課題であり、生物学における長年の課題である有性生殖について手がかりを得られればインパクトは大きい。
すべて 2017 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 備考 (3件)
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http://nematode.lab.nig.ac.jp/d_coronatus
https://nematode.nig.ac.jp/d_coronatus
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