研究課題
基盤研究(B)
クマムシ乾眠の分子機構の全体像を明らかにするため、マルチオミクス解析によってまず乾眠誘導型クマムシにおいて1422個の遺伝子が誘導されることを見出し、このうち928個の保存されたコンポーネントを乾眠のコアセットと定義した。また、時系列リン酸化プロテオミクスによってこの遺伝子発現誘導がAMPKシグナリングを介して制御されることを明らかにした。さらに、UV照射からの復帰と乾眠の交叉によって、酸化ストレスからの修復に関わる新規遺伝子AMNPを同定した。加えて、CAHSの作用機序に液-液層分離が関与することを見出し、クマムシ乾眠の多岐にわたる分子機構を明らかにした。
完全な脱水は、細胞にとって究極のストレスである。浸透圧ストレス、細胞の水分を失ったことによるあらゆる分子の濃度上昇による酸化ストレスやpH・金属イオンによるストレス、乾燥によるタンパクの変成やDNAダメージなど、ストレスの集合体とも言える乾眠メカニズムを解明することは、細胞が自己を維持するための機構を網羅的に理解することに繋がり、真核細胞という生命システムの頑強性・脆弱性を理解する一助となると思われる。また、ヒト細胞の酸化ストレス耐性を向上できるAMNPの発見はバイオテクノロジー上の応用も期待できる。
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すべて 国際共同研究 (10件) 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 8件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (39件) (うち国際学会 7件、 招待講演 9件) 備考 (2件)
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