研究課題
基盤研究(B)
本研究では体細胞分裂から減数分裂への切替えに働く新規の因子を同定した。MEIOSIS initiator (MEIOSIN)と名付けたタンパク質はIDだけを付されたゲノムに眠る未解析遺伝子Gm4969にコードされていたが、HMG-likeドメインをもつDNA結合因子と推測された。MEIOSINを欠損させると雄雌ともに精巣・卵巣の萎縮を伴って不妊となることが判明した。ChIP-seqやKOマウスを用いた解析により、MEIOSINは体細胞分裂型の細胞周期の抑制と減数分裂プログラムの活性化とを協調する役割があることが示唆された。
今回新たに発見したMEIOSINが、卵巣・精巣内で特殊な細胞分裂である減数分裂を開始させる働きをもつことを明らかにしました。また、MEIOSINは卵子・精子を形成するための数百種類の遺伝子に一斉にスイッチを入れる司令塔の役割を果たしていることを明らかにしました。MEIOSINは、減数分裂の発動に必須の働きをしており、卵子や精子の形成に関わる重要な遺伝子であることから、今後の不妊治療などの生殖医療の進展につながる可能性があります。
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