研究課題/領域番号 |
17H03643
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹田 一旗 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30332290)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2018年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2017年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
|
キーワード | タンパク質 / X線 / 蛍光 / エックス線 / 結晶 / 電荷密度解析 / 中性子線解析 |
研究成果の概要 |
外殻電子の分布や電荷、水素原子位置は、タンパク質分子の物性や反応性の理解のために重要な情報であるが、これまでに解析例はほとんどない。本研究では、0.78 Aという超高分解能で緑色蛍光タンパク質(GFP)のX線電荷密度解析を実行し、価電子分布や原子電荷を得ることができた。一方、水素原子に関する詳細な情報を得るためには、重水素化タンパク質を用いた中性子回折法が有効である。このため、GFPの重水素化による物性や構造への影響を調査した上で、中性子回折実験をおこなった。一連の研究により、発色団と周辺環境間の比較的弱い相互作用を定量的に得ることができ、GFPの物性を説明することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電荷密度解析は電子構造を実験的に決定する手法であり、分子の物性を直接議論することが可能である。本研究では、結合次数や結合エネルギー、非共有結合性の相互作用などを定量的に決定することができた。得られた結果は量子化学計算との比較が可能な精度であるため、理論と実験の相補的な発展を促すものである。一方、タンパク質の構造情報は薬剤開発においても広く利用されている。タンパク質や薬剤候補分子の電荷や価電子の分布は作用機序に深く関与しているが、通常の構造解析からは決定できない。電荷密度解析の汎用化は相互作用予測や評価精度の向上と効率化にもつながるため、将来的には創薬にも応用できると考えられる。
|