研究課題/領域番号 |
17H03663
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木下 正弘 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (90195339)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2017年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
|
キーワード | 膜蛋白質 / G蛋白質共役型受容体 / ロドプシン / 耐熱化 / アミノ酸置換 / 統計熱力学 / 積分方程式論 / エントロピー / G蛋白質共役受容体 / 立体構造 |
研究成果の概要 |
7回膜貫通ヘリックス構造を有する膜蛋白質に対し,立体構造なる微視的幾何学情報から熱安定性を評価できる統計力学理論を構築した。膜を構成する炭化水素基集団の並進配置エントロピーの効果を取り込んだ点に独創性がある。G蛋白質共役型受容体(GPCR)に対し,BW数が3.39の残基をリジンまたはアルギニンに置換すると,クラスAの数多くの異なる不活性型GPCRを耐熱化できることを発見し,そのうちの幾つかに対して立体構造の新たな決定に成功した。ロドプシンであるTRとXRあるいはRxRとHsBRは,高いアミノ酸配列相同性にも拘わらず,顕著に異なる熱安定性を呈する。これらの実験事実は上記理論を用いて説明できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膜蛋白質は水環境中にある細胞外・細胞内領域と無極性環境中にある膜内領域から成り,水溶性蛋白質よりも複雑である。現在市販されている薬の60%以上が膜蛋白質を標的としているが,その安定性が低いため,立体構造決定や精製標品を用いた薬剤のスクリーニング系の開発が困難である。本研究によって,7回膜貫通ヘリックス構造を有する膜蛋白質の折り畳みの物理描像がほぼ完成され,かつ,アミノ酸置換による膜蛋白質の安定性向上を論理的に実現することが可能となった。各膜蛋白質に関連する生命機能や疾病原因の理解,様々な病気の治療薬の開発などに至る我が国のライフサイエンスの推進に大きく貢献できるものと考えられる。
|