研究課題
基盤研究(B)
オートファジー誘導に関わるULK1複合体へのシグナル伝達機構の解析から、mTORC1複合体とULK1の相互作用領域を配列中央の天然変性領域と特定し、シグナルの受け手となる因子が進化の過程でAtg13の天然変性領域からULK1へと移行していることを明らかにした。ULK1複合体の形成に関わる領域をULK1、ATG13、FIP200でそれぞれ特定し、さらにULK1複合体同士が自己集積することで液滴様の性質を持つことを見出した。ATG9ベシクルのリクルート機構として出芽酵母でのAtg13依存性経路に加えて、哺乳類は選択的オートファジー基質依存性経路を新たに獲得していることを示した。
哺乳類でのオートファジー誘導機構については具体的な分子機構が不明であったが、mTORC1複合体とULK1の相互作用領域を特定することで、シグナル伝達機構が進化の過程で大きく変化し、哺乳類ではより複雑化していることを明らかにした。この成果は、哺乳類オートファジー研究に新たな視点を提供するだけでなく、創薬ターゲットとしてのULK1の有用性を示すものとなる。ATG9ベシクルのリクルート機構として新たに見出した分解基質依存性経路は、細胞内品質管理に関わる選択的オートファジーの効率化、厳密化のために獲得した経路と考えられ、恒常性オートファジーや選択的オートファジーの制御に関わる新しい発見である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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