研究課題
基盤研究(B)
障害を受け膜電位が低下したミトコンドリアのオートファジーによる排斥は,ミトコンドリア品質管理として近年注目を浴びている。しかし,ミトコンドリア品質管理が細胞からどのように調節されているかは不明な点が多く残る。私達は,リン酸化修飾を介したミトコンドリアの機能制御と品質管理に着目し,ミトコンドリアタンパク質のリン酸化反応の場所やリン酸化酵素PKAの触媒サブユニットアイソフォームの細胞内局在を明らかにした。また,解糖系酵素のミトコンドリア品質管理への関与も示した。
本研究では,細胞がミトコンドリア機能を制御する方法としての翻訳後修飾に着目して,ミトコンドリア機能の調節機構を明らかにしようとする点が特徴であり,ミトコンドリア表面だけでなく,これまで手付かずだったミトコンドリア内部でのリン酸化修飾を検証した点がユニークである。本研究で得られる結果は,ミトコンドリアの機能と品質管理の理解に寄与するだけでなく,PINK1やParkinを原因遺伝子とする遺伝性パーキンソン病の発症メカニズムを理解する上でも重要な知見となる。
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