研究課題
基盤研究(B)
進化系統的に古い防除システムにおいては、イソチオシアネートの代わりに致死毒性を持つシアン化合物が生成される。他方、アブラナ科植物は、食害されると、イソチオシアネートを生成して身を守る。食植性昆虫に対するこの化学物質の防御効果を調べるために、シロイヌナズナの実生のホモジネートの味または匂いの存在下で、ショ糖に対するハエの食欲を測定した。シロイヌナズナの実生のホモジネートの味または匂いのいずれもがハエの食欲を抑える効果を示した。イソチオシアネートを生産できないシロイヌナズナ突然変異体ではそのような食欲抑制効果は見られなかった。
本研究の成果として、食植性昆虫に対する植物の防除システムの進化の方向が、致死毒によって双方が死ぬシステムから、不味い味や匂いによって双方が死なずにすむシステムへと変化したことが明らかとなった。このことは、植物―昆虫の共進化の観点から学術的に大きな意義がある。また、このような進化のしくみを理解することは、社会的にも害虫防除や農事効率を考える上で意義があると考える。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 9件、 招待講演 6件)
Proceedings of the Thirty-Third AAAI Conference on Artificial
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