研究課題/領域番号 |
17H03715
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
進化生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 直樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 名誉教授 (40154075)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2017年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 細胞内共生説 / 宿主主導説 / 色素体 / クロマトフォア / 脂質合成 / 葉緑体起源 / 膜脂質 / 系統解析 / ゲノム解析 / 色素体起源 |
研究成果の概要 |
オルガネラ起源に関する細胞内共生説に関して,主に色素体の起源について,比較ゲノム解析,系統解析,脂質代謝解析などにより検討した。色素体の膜脂質の合成系の大部分の酵素の起源はシアノバクテリアではないが,光合成や遺伝子発現系の成分の大部分はシアノバクテリア由来と推定された。それでも,起源となるシアノバクテリアの系統は一つではなく,複雑な状況が判明した。また,ポーリネラのクロマトフォアがほぼ完全にシアノバクテリアの脂質代謝系を保存しているものの,光合成産物が速やかに細胞質に送られて宿主側の脂質合成に使われることを明らかにした。色素体の成立には多数の遺伝子導入があったと考えられる宿主主導説を提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞小器官の細胞内共生起源は,現在では,生物教科書にも広く取り上げられている説であるが,歴史を調べると,その根拠は希薄である。また,葉緑体やミトコンドリアのタンパク質の詳細な系統解析の結果は,さまざまな生物からの多様な遺伝子導入を示唆している。こうした点から,単純な細胞内共生が細胞小器官の起源であるとする説はもはや維持することはできないと考えられる。本研究は主に葉緑体をターゲットとしたものであるが,ミトコンドリアについても同様の考え方が世界の研究者から提示されている。そのため,宿主主導説は今後,単純な細胞内共生説に代わる基本的な考え方になると期待され,その社会的な影響は大きい。
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