研究課題
基盤研究(B)
本研究は環境変動に対するイネ細胞の生長制御機構を明らかにすることを目的とした。酸化ストレス下,イネ細胞は顕著な生長遅延を示し,アクチンのジスルフィド架橋高分子量構造体を蓄積した。酸化ストレス回復期,PDI(Protein Disulfide Isomerase)はアクチン構造体のジスルフィド架橋開裂を触媒しその分解を促進し,PDI還元系が細胞骨格の再編成と細胞の生長に重要な役割を担うことが示唆された。
環境変動下,イネ細胞の生長制御はコメの品質・収量を決定する重要な課題である。本研究はPDI酸化系が小胞体において貯蔵蛋白質のジスルフィド架橋形成を触媒し酸化的折り畳みを促進するだけでなく,PDI還元系がサイトゾルにおいてアクチン構造体のジスルフィド架橋開裂を触媒しその分解を促進することを示した。本研究成果はオルガネラ運搬や細胞壁構築の駆動基盤である細胞骨格ダイナミクスの新規制御機構を示唆する。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
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