研究課題/領域番号 |
17H03788
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用微生物学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
天知 誠吾 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 教授 (80323393)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2017年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | ヨウ素 / 蓄積 / 甲状腺 / 呼吸 / 放射性ヨウ素 / バクテリア / ヨウ素酸呼吸 / ヨウ素蓄積 / 細菌 / 必須元素 / 甲状腺ホルモン / iodotroph |
研究成果の概要 |
生物とヨウ素の共進化の謎の解明を目的として、ヨウ素蓄積細菌Arenibacter sp. C-21株、及びヨウ素酸呼吸細菌Pseudomonas sp. SCTを用いて検討を行った。C-21株において蓄積ヨウ素のほとんどが膜タンパクと結合すること、またそのタンパクが新規なバナジウム依存型ヨードペルオキシダーゼ(vIPO)であることを明らかにした。一方、SCT株の異化的ヨウ素酸還元酵素を同定し、それが新規なモリブデン鉄硫黄タンパクであることを解明した。さらに、SCT株のヨウ素酸呼吸時には、ヨウ素酸のみならず過酸化水素と酸素も電子受容体として機能するという「3分岐型電子伝達鎖モデル」を提唱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヨウ素蓄積細菌C-21株において、ヨードペルオキシダーゼがヨウ素の取り込みのみならず、ヨウ素の蓄積・貯蔵にも寄与することを初めて明らかにした。蓄積ヨウ素の機能は未だ不明であるが、原始的な甲状腺ホルモンが合成されている可能性もあり、ヨウ素と生物の共進化の謎にせまる興味深い結果が得られた。一方、ヨウ素酸呼吸細菌SCT株において、鍵となる酵素と遺伝子を初めて特定した。同様の遺伝子を持つ細菌は海洋・陸圏に広く分布することから、このような微生物が地球規模でのヨウ素の循環に大きく寄与する可能性がある。またこのような細菌は、放射性ヨウ素(I-129)で汚染された地下水環境の浄化に応用できるかもしれない。
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