研究課題
基盤研究(B)
木質バイオマスの粉じん爆発危険性をJIS Z8818によって評価した。樹種が異なる木粉を比較したところ、板材密度が高い樹種ほど粉じん爆発危険性が高い傾向がみられた。また、針葉樹では抽出成分の粘着性が安全側に作用し、広葉樹では着火性が作用している傾向がみられた。さらに、比較的粉じん爆発は起きにくい石炭や木炭に木質系バイオマスが少量混入することで粉じん爆発が生じやすくなった。一方で、トレファクション処理は木質ペレットの最小着火エネルギーを上昇させ、粉じん爆発危険性が緩和した。
一般に板材では材密度が高い樹種ほど難燃性であると言われているが、粉じん爆発の危険性はこれとは逆の傾向を示したことが特徴的である。また、石炭や木炭と木質系バイオマスの混焼は粉じん爆発の危険性が高まること、木質ペレット燃料のトレファクション処理はエネルギー密度の向上や水分吸着能を下げる利点に加えて粉じん爆発危険性を低下させる効果もあることがわかった。ただし、不均質なトレファクション処理は未処理材が混入することになるため、ロータリーキルンなどの熱処理時には注意が必要である。
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