研究課題
基盤研究(B)
野外での日々の微気象環境の変化がイネの水や養分の輸送を担う各種遺伝子群の発現におよぼす影響と、それらの遺伝子の応答性の生理的な役割について調べた。アクアポリン(生体膜の水やCO2輸送を担うたんぱく質)の蒸散要求量の変化に対する発現応答が、栽培方法や生育ステージの違いに関わらず普遍的に観察された。また葉に発現している約半数の遺伝子の発現量が、蒸散要求量に応じて変化していることが示された。イネの水利用効率の品種や大気CO2濃度に対する変化や、土壌水分の低下によるイネの生理応答の解析から、微気象環境の変化に対する遺伝子の発現応答が、植物の生育戦略上で重要な役割を持っている可能性が示唆された。
植物の生育は多数の遺伝子によって調整されているが、植物が生育する野外では、光環境や気温・湿度、地温などの複数の環境がさまざまな時間スケールで複雑に変化する。野外で生育してるイネを対象として、水や養分の輸送を担う各種遺伝子の状態と生育状態の変化を調べたところ、イネは日々の蒸散要求量や土壌水分などの微気象環境の変化に応じて、それら遺伝子の発現量をダイナミックに変化させ、自らの水輸送や養分吸収、光合成などの機能を柔軟に調節している可能性が示された。これは植物の生存戦略において重要な調節機能であり、気候変動下における作物の安定生産技術を構築する上で役立つ基礎的な知見である。
すべて 2020 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 9件)
低温科学
巻: 77 ページ: 1-15
10.14943/lowtemsci.77.1
120006628718
巻: 77 ページ: 125-136
10.14943/lowtemsci.77.125
120006628730
巻: 77 ページ: 137-144
10.14943/lowtemsci.77.137
120006628731
Plant Production Science
巻: 22 号: 3 ページ: 395-406
10.1080/1343943x.2019.1626253
Plant and Soil
巻: 433 号: 1-2 ページ: 173-187
10.1007/s11104-018-3834-z
農業気象
巻: 74 号: 4 ページ: 140-153
10.2480/agrmet.D-18-00018
130007496544
Global Change Biology
巻: 24 号: 3 ページ: 1321-1341
10.1111/gcb.13981
巻: 73 号: 3 ページ: 84-91
10.2480/agrmet.D-16-00018
130005797420
巻: 73 号: 3 ページ: 109-118
10.2480/agrmet.D-16-00011
130005797425
根の研究
巻: 26(3) ページ: 39-55
130006072896