研究課題
基盤研究(B)
本研究では、鳥類の輸卵管における精子貯蔵、精子-卵子相互作用に着目し、受精メカニズムの解明を目的とした。雄の受精能力と精子の遊泳との関係を調査し、受精能力の高い精子は鞭毛が長いことが判明した。ウズラ9系統のオスから精子を採取し、鞭毛長を測定した結果、系統間で鞭毛長に有意な違いが認められた。また、蛍光二重染色を射出精子に施すことにより、精子貯蔵管内で人工授精後の精子を別々に可視化することにも成功した。加えて、ウズラの精漿には、抗酸化作用を有するタンパク質としてアルブミンおよびトランスフェリンの存在が判明し、これらの抗酸化タンパクの添加で、インビトロでの精子の生存性が向上させることに成功した。
本研究では、受精能力の高い精子の特徴として,鞭毛の長さが重要であることを発見した。また,この精子の形質が精子貯蔵管(SSTs)への侵入に大きな影響を与え,これが父性に大きく影響することも明らかにした。加えて,SSTsに存在する抗酸化物質の発見は,これまで凍結保存が困難であったニワトリ・ウズラ等の家禽精子の液状保存に応用することが可能となり、その波及効果は非常に大きいと考えられる。これらの知見は、人工授精、体外受精等の人工的な授精技術の改良だけでなく、不妊治療および避妊薬の新しい視点からの開発に直接応用可能であることは言うまでもない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 3件、 招待講演 7件)
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