研究課題
基盤研究(B)
本研究では、MuERV-L陽性細胞に含まれることが推定される「真の全能性細胞」を同定することを目的として研究を行った。その結果、MuERV-L陽性細胞を効率よく誘導する培養条件を見出した。また、アスコルビン酸はMuERV-L陽性細胞の誘導を促進し、インスリンは抑制することを明らかにした。遺伝子発現解析や阻害剤を用いた実験から、MuERV-L陽性細胞への変換にはエネルギー代謝経路が解糖系から酸化的リン酸化に変換されることが重要であることを明らかにした。さらに、MuERV-L陽性細胞の中には、全能性を有する卵子に特異的な構造であるLipid dropletを持つ亜集団が存在することを見出した。
本研究では、全能性細胞を含むことが推定されるMuERV-L陽性のES細胞を効率よく誘導する方法を開発した。また、MuERV-L陽性細胞では、遺伝子発現だけではなく、エネルギー代謝経路も全能性を有する初期の着床前胚に近くなることを明らかにした。さらに、MuERV-L陽性細胞の中にLipid droplet(LD)を有する亜集団の存在を明らかにした。今後、MuERV-Lの発現とLDをマーカーとして細胞集団の選択を行うことで、最終的にはES細胞やiPS細胞よりも均一で分化能が保証された高品質な幹細胞が得られることが期待できる。
すべて 2020 2019 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (33件) (うち国際学会 6件、 招待講演 4件) 備考 (2件)
生体の科学
巻: 69 ページ: 386-387
Cell Rep
巻: 20(12) 号: 12 ページ: 2756-2765
10.1016/j.celrep.2017.08.088
Biochem Biophys Res Commun
巻: 490(2) 号: 2 ページ: 429-433
10.1016/j.bbrc.2017.06.058
http://www.nagahama-i-bio.ac.jp/research/