研究課題
基盤研究(B)
多因子疾患全身性強皮症の治療薬をめざし、細胞の形態変化を指標としたフェノタイプスクリーニングにより見出した化合物HPH-15、多彩な生理活性をもつIP6のプロドラッグ体、細胞毒性物質HNEを消去するカルノシン誘導体について検討を行った。HPH-15の誘導体を計20種類合成し、そのうち10種類が、ヒト皮膚細胞のコラーゲン産生に対する抑制効果においてHPH-15より強い活性を示した。またHPH-15の標的蛋白質を同定した。一方、IP6プロドラッグ体Pro-IP6は細胞に取り込まれ、細胞内でIP6に変換されることを立証した。カルノシン誘導体CNNによりカルノシンより優れたHNE消去活性が実現された。
全身性強皮症は皮膚や組織にコラーゲンが蓄積して硬化、線維化する自己免疫疾患である。明確な原因が不明で、対症療法のみで根治薬がなく、難病に指定されている。しばしば間質性肺炎、腎クリーゼなどの内臓線維化による重篤な疾患を併発し、死に至る場合もある。本研究ではさきに見出していた化合物HPH-15より優れた活性を示す誘導体を合成し、その標的蛋白質を同定した。さらにIP6のプロドラッグと細胞毒性アルデヒドHNEを消去するCNNを開発した。本研究では多因子疾患全身性強皮症に対して複数の標的に作用する化合物を見出したことから、全身性強皮症治療薬開発へと結びつくものと期待される。
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