研究課題
基盤研究(B)
オキシトシンは不安を緩和し親和行動を促進するだけでなく、状況によってはストレス反応を促進し攻撃的な行動を増やす。この相矛盾するオキシトシンの作用機序を明らかにすることが本研究の目的であった。本研究では、親和的な状況と敵対的な状況で異なるオキシトシン系が活性化され、その結果、一見相反する社会的行動が誘発されるという仮説を立てた。親和的状況では島皮質と内側扁桃体が活性化され、敵対的状況下では腹内側視床下部と中心灰白質が活性化し、その結果、相反する行動が誘発される可能性がでてきた。
オキシトシン系は単一ではなく多様で、相反する行動を制御することを見出した。この多様性のおかげで、オキシトシンは様々な社会的な状況下において、それぞれの状況に適した多様で積極的なストレス対処行動の選択に寄与するという可能性が出てきた。このオキシトシンの作用は、社会行動異常に対する治療薬の候補として考える際に考慮すべき点である。さらに、本研究で用いた細胞選択的な活動操作法は、他の研究領域においても応用できる。
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