研究課題
基盤研究(B)
脊髄小脳変性症14型(SCA14)の原因となる変異型PKCgammaをモデルとして、凝集体形成を原因とする神経変性症の治療薬の開発を、特に分子シャペロンの機能に着目して行った。Hsp70の発現誘導作用を有し、脳内移行性の高い薬剤Hsp990は初代培養小脳プルキンエ細胞において、Hsp70発現を誘導し、変異型PKCgammaの凝集体形成を抑制した。さらに、SCA14モデルマウスにおいても、Hsp990は経口投与により変異型PKCgamma凝集体を減少させた。これらの薬物をリード化合物としたHsp発現誘導化合物がSCA14の治療薬、さらには多くの神経変性症の治療薬となりうることが示された。
神経変性症の多くは神経内に凝集体を形成することを原因としていることが知られている。これらの凝集体の形成を抑制することができれば、多くの神経変性症治療薬の開発につながると考えられる。本研究での成果は、今後、長期的な投与による効果、副作用を検討する必要はあるが、これらの薬物をリード化合物としたHsp発現誘導化合物がSCA14の治療薬、さらには多くの神経変性症の治療薬となりうることが示された。同定された薬物は、アミロイド形成により発症するすべての神経変性疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、小脳脊髄変性症などの本質的な治療薬としても応用可能であると考えられる。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 5件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 12件、 謝辞記載あり 2件)
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