研究課題
基盤研究(B)
一連の研究結果から、DNA損傷が基盤にある早老症の分子病態において、早老症候群変異を有する細胞は、カロリー制限やラパマイシン(mTOR経路抑制剤)などのミトコンドリアの相互作用の関与を考慮することにより、長期の使用でオートファジーレベルが正常に近いレベルまで低減し、DNA損傷蓄積の減少と細胞増殖速度の回復が見られる可能性が示唆された。よって、創薬標的候補のひとつとして、p38MAPK阻害剤が有用である可能性も十分に想定され、その阻害効果としてDNA損傷蓄積の減少・細胞寿命の延長が期待できることが示された。
本研究のように国際コンソーシアムを用いて早老遺伝子候補を発見することでその分子基盤が明らかにされ、更に遺伝子が早老表現型を起こすメカニズムが分子レベルで解明し、動物モデルで実証していくことは、有効な治療薬のないこの難病と正常の老化制御の接点で機能する遺伝子や分子群のシグナル研究分野において非常に重要である。また、早老遺伝子が、どの程度加齢疾患の進行や寿命に関連するかを人口学的に調査し、老化の過程への関与を明らかにするような社会疫学的/遺伝学的融合研究の推進も重要である。これらの研究は、早老症の有効な治療法、加齢関連疾患の治療、一般高齢者の健康維持の開発、健康長寿社会の実現に大いに貢献できる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 8件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 10件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 備考 (5件)
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